令和の始まりから、もっとも力を入れて授業しているテーマがFPの授業です。

資格試験というものを考えてみると、
今まで、その時代ごとにテーマがあったと感じています。
例えば、順番に並べてみると、
誰もがパソコンを使えるようになること(MOS試験、その他ベンダー試験の台頭)
アプリケーション操作以外のIT人材の育成(ITパスポート試験の登場)
英会話の能力(TOIECが資格人気で1位に)
個人情報保護士(個人情報保護法の施行、令和5年末現在でもゴタゴタが起きていますが。)

そして、今の時代のテーマは、個人向けFPの知識(これはもう、言わなくてもニュースを見ていればわかるはず)。
次のテーマが何になるのか、今の段階ではまだ見えてはいません。
数年間にわたりFPが中心のテーマになるのではないか、そう感じています。

ソーシャルガーデンでは開所当初から
「就職できるのが当たり前となるように」
「就職できることに特化した授業」を実施し続け、
毎年ずっと就職者を送り出してきました。

就職者たちの多くが、
「こんなに良い職場に就職できたのだから絶対に辞めずに続けます」
との言葉を残して旅立っていきました。
しかし、就職後、数か月から数年後に、退職に至る方がおられたのがこの授業を始めた理由です。

離職に至る前後の話をずっと聞いてきて、
彼らは周囲への期待に応えるためや、自らのプライドのため、
「就職するために就職した」ゆえに、
仕事以外のプライベートの部分で豊かさを追求できていなかったのではないか、
そう感じたからです。

毎日、仕事が終わって帰宅時間にただ疲れと不安だけを感じるだけの状況で
働き続けて、その結果、消耗し続けたのではないか。
そう結論付けたときに、
とてもむごい状況で社会の中で耐えさせてしまったと考えさせられました。

「これからの自分の人生を豊かに」、
「毎日の生活や毎月の支払いで困らないように」、
「マイナスの要素を明確にして確定することで、今後に不安をちょっとでも持たずにいられるように」、
「何がプラスの要素となりうるのかを認識することで、生活の中で希望を持てるよう、感じられるように」、
なにより、開所当初の私どもが、旅立つすべての方に答えを伝えてあげられなかったこと、
「プライベートで豊かに、自分が幸せになるためには賃金などの資金が必要」。
その糧を得るために「就職して仕事を続ける」、
「継続して3年も経てば、今までの資産のマイナス要素は払拭できて」、
「蓄え(資産のプラス様子)が先行きに安心をもたらしてくれる」、
「だから、働く」。
その意味が分かるように、
その願いと希望を込めて授業を開始しました。

令和に入るころの結構、早い段階でFPの授業を中心に据えることができたことは、
利用者さんの今後の人生について、真剣に考えてきた結果、辿りつけた選択だったと思います。
その部分だけはすごく誇らしく、ちょっと自慢したくなるくらい。
次の時代の中心となるテーマなんて、意外と絞り込んで当たるものじゃないですから。
(個人情報保護士とFPと立て続け2つ、授業導入を先に進めていたのは、ちょっと奇跡的です。)

なお、この話の最初にあった、開所当初の退職者についてですが、
FPの授業導入後、授業に参加していただいた就職修了者の方で、
ほぼ(現在9割)の方が、仕事を継続されていることに、
この授業の必要性が垣間見えると思います。

就職してから必要となる意識のお話だけではなく、
就職する前から、働くこと自体について準備として考えることができたからではないかと思います。

ただ・・・とにかく、毎年の制度変更や自身の人生について考えてもらうことが多くなるため、
授業が長期間に及ぶことだけが・・・。
試験に受からせるための授業なら本当に、とても簡単なんです。
独学でも受かると思っています。

でも、独学だと学んだ知識と現実がリンクしないただの資格に近くなる非常に扱いが難しい資格。
社会経験と事務職の経験から結び付けなければ、
若しくは自身の事務職の経験が豊富でなければ、
仕事では全く使えない知識をただ知っただけとなってしまうのが問題点。

そのあたりをカバーし続けて、仕事でも使える力に変えるためと、
働くことの意味の理解や人生を変えるための授業となると、
本当に、ずっと一年中授業してるんですよね・・・。
3級終わったら2級内容にそのまま突入だし。

4月から11月ぐらいまではまだいいんです。
4月からの法律の変更、社会への影響、変化を織り込みながら、
6月に新しいテキストを投入して試験までずっと授業できるから。

でも、新年を迎えると・・・、もうすでに国会等の法案審議などで、
既に変わることが決まっている内容のテキストを使って授業しても・・・。

意識しなくても生きることは可能ですが、
意識すると、私たちの生活、その全てを構成している制度のお話ですから。
(と、私どもの活動紹介のはずが、ちょっと愚痴ってみた。)